沖縄にはパワースポットと呼ばれる場所が数多くあります。中でも恋愛のパワースポットが大人気で、恋愛祈願のために多くの女性が沖縄を訪れています。
今回ご紹介するのは、ゆいレールの各駅から徒歩15分内で行ける恋愛パワースポットです。
公共交通機関のみで移動する予定の方には特にオススメのパワースポット巡りですので、ぜひ参考にしてみてください。
仲島の大石(ナカシマノウフイシー):どんな願いもかなえる龍の宝珠
ゆいレール旭橋駅の東口を出て階段を降りていくと、鮮やかな緑の葉が目に飛び込んできます。
なんと、舗道の真ん中に巨大な岩がドーンと居座っており、岩の上部にはアコウなどの植物が生い茂っているのです。まるで「ラピュタ」を連想させるビジュアルです。
案内板によれば、大岩の高さは6メートル、周囲は25メートル。大岩には、しめ縄がぐるりと巻かれ、鳥居に神社、狛犬も配されています。
上から見た仲島の大石(写真左)と横から見た仲島の大石(写真右)
いったいなぜ、那覇の都心に大岩があるのでしょう?
このあたり一帯は、もともとは海岸でした。沖縄の海には「ノッチ」と呼ばれるキノコ岩が多く見られ、この大岩は埋め立て後の街に残されたノッチなのです。
18世紀に編纂された『琉球国由来記』では、その地を竜にみたて、仲島の大石が「竜の宝珠」にあたると書かれています。竜の宝珠といえば『ドラゴンボール』で、どんな願いも叶えてくれる玉として登場しますね。
正式には「如意宝珠(にょいほうじゅ)」と呼ぶそうで、いかなる願望も成就する力の象徴です。
交通量の多い那覇市内にありながらも、著者が訪れた時には長い時間ウートートー(手を合わせる)されている女性もおられました。地元の方の信仰心の篤さも、仲島の大石がこの地にあり続けられた要因なのでしょう。
となりの建物の2階にのぼって岩を眺めると、「仁天屋船久久姫神(じんてんやぶねくくひめかみ)」と書かれた石が見えました。琉球神話に出てくる竜神の次女の名前で、もともとは女神を祀る御嶽だったのです。
参拝すれば、女神さまの加護で、とりわけ恋愛で大きなご利益が期待できるでしょう。
仲島の大石
住所:沖縄県那覇市泉崎1-20-3
アクセス:旭橋駅より徒歩1分
シグルガー:天女の降り立った伝説の泉
シグルガーは、新都心公園の北にある「沖縄の杜ゾーン」と名付けられた緑地帯にあります。モノレールのおもろまち駅からは徒歩で10分ほどです。
佐川急便の営業所と沖縄の杜ゾーンに挟まれた、細い遊歩道に入ります。沖縄の杜ゾーンに沿ってフェンスが張られており、途中の門扉を開けて森へと足を踏み入れます。緩やかな下り坂を進むと、間もなくサラサラと澄んだ水音が聞こえてきます。
道の突き当りには、まだ新しい石のガーと香炉があります。
新しいガー
その横には金網が張られ、金網の奥には風情のある古びたガーと柄杓が見えます。
金網の向こうにあるのがシグルガーです。落石などの危険から、現在は中に入ることはできません。
シグルガー
金網に隔てられてはいても、ガーの清らかな霊気はじゅうぶんに感じられます。すぐそばには川も流れ、やんばるの森にでも迷い込んだのかと錯覚するほどの緑の豊かさです。
シグルガーは、組踊『銘苅子(メカルシー)』の舞台になった泉です。『琉球国由来記』には以下のことが書かれています。
農夫の銘苅子は、泉で美しい天女が体を洗っているのを目撃しました。天女に惚れ込んだ銘苅子は、こっそり天女の羽衣を隠します。天女は羽衣がないと天界に帰れないため、銘苅子と夫婦になります。
三人の子も生まれ平穏に暮らしていたところ、ある日、天女は羽衣のありかを知ってしまいます。天女は羽衣を着て空へと飛び立ちましたが、子供らと別れ難く、上空をぐるぐると飛び回り、やがて一陣の風に乗って天へと舞い上っていきました。
その後、三人の子どものうち、男の子二人は早死にしましたが、娘は尚真王の夫人となり、王妃を生みました。
天女は、弁財天や吉祥天と同一視されており、縁結びや恋愛成就のご利益もあります。
心をこめて参拝しましょう。
シグルガー
住所:沖縄県那覇市銘苅2丁目
アクセス:おもろまち駅より徒歩10分
弁之御嶽(ビンヌウタキ):山全体が女神の聖地
モノレールの首里駅から弁ケ岳へは徒歩で10分ほどです。
弁ケ岳は標高はわずか165メートルですが、那覇市で一番高い山です。山を東西に分けるように道路が走っており、丘といったほうがぴったりくる小さな山です。
琉球王国の時代には山全体が聖地とされ、1、5、9月に国王自らが訪れ、祭祀が行われました。弁ケ岳には二つの頂きがあり、参詣道を挟んで、北側を大嶽(ウフダキ)、南側を小嶽(クーダキ)といいます。
参詣道からほど遠くない場所に、大嶽の石門があります。
大嶽の門
石門の右の雑草に埋もれかけた細い道を登っていくと、大嶽があります。頂上は狭いですが、とても眺めがよいです。
今度は参詣道を渡り、石段を登っていくと、見晴らしのよい広場に神社が2つ建っています。これらは沖縄神社で、戦後に首里からここへ移されたものです。
神社の奥にあるのが小嶽で、沖縄神社よりもずっと古い時代ものです。
こちらも忘れずに参拝しましょう。
小嶽
『琉球国由来記』によると、3人の姉妹神がおり、姉の女神は弁ヶ嶽に降りたとのいわれがあります。
女神のおられる山なので、恋愛に関することは特に御利益があるそうです。
弁之御嶽
住所:沖縄県那覇市首里鳥堀町4-4
アクセス:首里駅より徒歩10分
沖縄の地元占い師が厳選した那覇市の恋愛パワースポットMAP
今回ご紹介したゆいレールの各駅から徒歩15分内で行ける恋愛パワースポットの位置関係を地図上にまとめました。ぜひ参拝する際の参考にしてみてください。
【1】仲島の大石:旭橋駅より徒歩1分
【2】シグルガー:おもろまち駅より徒歩10分
【3】弁之御嶽:首里駅より徒歩10分
まとめ
パワースポットには神様がおられます。
その地がパワースポットになった歴史や背景を知らずに詣でるのは、他人の家に突然に押しかけ、願い事を叶えてくださいと言い出すようなもので、とても失礼です。
ここでご紹介した由来などを頭の片隅に留めて、参拝をしましょう。