話題の「琉球風水」とは?特徴からルーツまで基礎知識をわかりやすくまとめて解説

話題の「琉球風水」とは?ルーツから特徴まで基礎知識をわかりやすくまとめて解説

琉球風水とは?

「琉球風水」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? 近年になってメディアで取り上げられることが増え、徐々に知名度も上がっています。

琉球風水とはどのようなものなのでしょう? 日本の風水と何か違いがあるのでしょうか?

この記事では、風水ならびに琉球風水とはなにかを、わかりやすくまとめて解説いたします。

古代中国で始まった風水

風水の発祥は四千年前の古代中国。当時の人々は、自然界には気の流れがあり、良い気を取り入れることで幸せになれると考えていました。風水とは、良い気を集めるために風と水を操る手法なのです。

風水は「形法」と「理法」から成っています。形法は、土地の気の強弱や地形の気の流れを重視し、環境学的な考え方をもとにしています。理法は、陰陽五行や八卦などを扱い、占い的な面が強く出ています。

日本の風水は、中国の風水に家相術や九星術を取り入れて発展していったものです。

琉球王国と風水

17世紀、周国俊(しゅうこくしゅん)が中国で風水を学び、風水の知識を琉球へもたらしました。

18世紀には、蔡温(さいおん)が中国で風水を学んだ後、琉球王朝の要職に就き、各地で風水を活用した大規模な治水工事や土木事業を行い、民間にも風水が広まっていきました。

風水で地相、家相、墓相を見る人は「風水看」(フンシミー)と呼ばれ、役人として重用されました。

現代の琉球風水

沖縄は戦争で地形が変わるほどの被害を受け、風水をもとに作られた景観の多くが消失しました。さらに、戦後は米軍主導で風水を無視した開発が行われました。

風水看は表舞台から姿を消したものの、琉球風水の知識の一部は民間で伝承され、残り続けました。また、ユタやカミンチュと呼ばれる人々が、霊的な感性と合わせた独自の風水判断を行っています。

近年では、琉球風水についての体系的な知識のある設計士や風水師に人気が集まっています。

琉球風水の特徴

沖縄は海に囲まれた亜熱帯の島のため、土地も気候も中国とは異なります。風水は沖縄の風土に即した「琉球風水」として発展していきました。

たとえば日本では、鬼門にはトイレや台所を置くことを忌避しますが、琉球風水ではタブーではありません。台風や湿気、強い西日などの沖縄独特の風土に対応するため、理法よりも形法を重視し、柔軟な考え方をします。

琉球風水を用いた建造物には、首里城や玉陵があり、また、魔除けのシーサーや石巌當も風水と関りがあります。

琉球風水が目指すのは「自然との調和」です。

まずは五感を研ぎ澄ませ、あなたの住居の各部屋の、日光や気温、風の流れや湿気などを感じることから始めてみましょう。

琉球風水には、毎日を居心地よく暮らして幸福になるための知恵があるのです。

住居の鑑定をしてもらうときには、体系的な知識を持つ琉球風水師にお願いしましょう。